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    <title>ふくろうの筆箱</title>
    <description>不思議・妖怪・幽霊系の短編小説</description>
    <link>http://hukuro.blog.shinobi.jp/</link>
    <language>ja</language>
    <copyright>Copyright (C) NINJATOOLS ALL RIGHTS RESERVED.</copyright>

    <item>
      <title>歌い手と踊り手</title>
      <description>それは大きな大きな木だった。&lt;br /&gt;
太く立派な幹と、ごつごつとした木肌は&lt;br /&gt;
随分と長い間この地に根を下ろしていたことを示していた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
いくつにも分かれた枝は一つ一つが長く、電線の上まで伸びている。&lt;br /&gt;
そこから広がった青々とした葉は電線を覆い、日の光を遮って&lt;br /&gt;
きらきらとした木漏れ日を地面に落としていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;http://file.hukuro.blog.shinobi.jp/a2566f97.jpeg&quot; title=&quot;&quot; target=&quot;_blank&quot;&gt;&lt;img alt=&quot;&quot; src=&quot;http://file.hukuro.blog.shinobi.jp/Img/1375616371/&quot; /&gt;&lt;/a&gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
風が吹き、木が揺れる。&lt;br /&gt;
その瞬間、葉擦れの音が世界を支配した。&lt;br /&gt;
時に激しく、時に優しく、木は揺れ、ざわざわと歌う。&lt;br /&gt;
その歌に気づいた木漏れ日たちが、静かに、ゆらゆらと踊り出した。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ざわざわ。&lt;br /&gt;
ゆらゆら。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
光と音の、美しいハーモニー。&lt;br /&gt;
天然のミュージカルは優しく物語を展開させ&lt;br /&gt;
落ちてくる葉っぱは最高の演出となる。&lt;br /&gt;
私は心の中で、惜しみない拍手を送った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
散歩の中で不意に見つけた、自然の音楽。&lt;br /&gt;
彼らの優しい歌声は&lt;br /&gt;
ウォークマンでは決して聴けないものなのだ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
</description> 
      <link>http://hukuro.blog.shinobi.jp/%E7%9F%AD%E7%B7%A8/%E6%AD%8C%E3%81%84%E6%89%8B%E3%81%A8%E8%B8%8A%E3%82%8A%E6%89%8B</link> 
    </item>
    <item>
      <title>閉じ込めた秘密基地</title>
      <description>&lt;div&gt;懐かしい写真を見つけた。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;故郷の私の家を出てすぐのところにあった、田舎道を撮ったものだ。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&lt;a href=&quot;http://file.hukuro.blog.shinobi.jp/c7fc947c.jpeg&quot; title=&quot;&quot; target=&quot;_blank&quot;&gt;&lt;img alt=&quot;&quot; src=&quot;http://file.hukuro.blog.shinobi.jp/Img/1375430040/&quot; /&gt;&lt;/a&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;舗装された道を脇に入ると、長い砂利道になる。その向こうは一面の畑が広がっていた。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;小さい頃は、この辺りの鬱蒼とした林のなかに秘密基地などを作って遊んだものだ。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;そしていつもいつも、この畑の持ち主に見つかっては、叱られていた。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;div&gt;私はこの景色が好きだった。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;青々とした木々の隙間に木漏れ日が縫い目を作り、風が吹くたびにきらきらと光って揺れていた。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;木々が揺れ、ざわざわと歌い出す。その歌に耳を傾けながら、ほんのりと香る花水木に酔うのが好きだった。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;だから、そんな素敵な場所に、マンションが建つと聞いた時はひどくショックだった。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;あの懐かしくて優しい場所がなくなってしまう。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;まるで、子どもの頃の私がいなくなってしまうかのような、寂しくて切ない感覚になった。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;div&gt;だから、私はそれを閉じ込めることにした。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;父のカメラを借りて、ファインダーの中に、子どもの頃の私を閉じ込めた。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;それがこの写真だ。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;div&gt;今はもう、この景色は見ることが出来ない。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;灰色の大きなマンションと、大きな駐車場が出来てしまっている。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;div&gt;切ないことだけれど、この写真の光景は私の中で生きている。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;きっと子どもの頃の私は未だに、この写真の中で秘密基地でも作っているのだろう。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;</description> 
      <link>http://hukuro.blog.shinobi.jp/%E7%9F%AD%E7%B7%A8/%E9%96%89%E3%81%98%E8%BE%BC%E3%82%81%E3%81%9F%E7%A7%98%E5%AF%86%E5%9F%BA%E5%9C%B0</link> 
    </item>
    <item>
      <title>河童にコーラを飲ましたところ。５</title>
      <description>&lt;br /&gt;
私はその弱々しい人外の手を&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
そぉぉぉぉいッッ&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
と思い切り引っ張って、川の中から引きずり出す。激しい水音を立てながら、それは姿を現した。背の丈は１メートルちょっとだろうか。身体は薄い茶色で、背中には亀のような甲羅を背負っていた。顔は、鳥のように尖ったくちばしに、ギョロッとした目。頭には丸い何かが、まるで乗せてあるようについていて、それを囲って申し訳程度の髪の毛（？）が生えていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
明らかに人外だ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
いや、というか河童だ。&lt;br /&gt;
絵に描いたような河童だ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
その河童は川原に引きずり出された途端、暴れてもう一度川へ逃げようと必死でもがくが、私の手はそれの手首を握ったままだ。そうはさせまいと思い切りこちらへ引き寄せる。私は河童がよたよたとよろめいたその隙を見逃さず、彼の足を思い切り蹴り払った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「ぐぇ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
と声を上げて、河童はその場でひっくり返った。後ろ向きに転んだものだから、甲羅が川原の小石に擦れて、ガシャと大きな音を立てる。見ると、河童は目を見開いて私を見ていた。その眼光に少しぎょっとする。私は荒い息を抑えながら&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「なにすんのよ！」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
と声をかけてみた。果たして言葉が通じるのだろうか。&lt;br /&gt;
河童はこちらを向いたまま、動かない。月明かりに反射して、水気を帯びた身体がギラギラと不気味に光っている。それは雨の日のトカゲやヤモリを連想させた。&lt;br /&gt;
さすがに言葉は通じないようだ。どうするか。と思っていた矢先。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「&amp;hellip;いえね」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
河童が口を開く。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「美しい女性の御御足が見えたもので、つい」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
私は驚いて目を見開く。喋った。思いっきり喋った。つーか御御足（おみあし）って。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「つい&amp;hellip;って&amp;hellip;。引っ張ってどうするつもりだったのよ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「んん。今晩の夕食にしてもよいですし、はたまた怖がらせるだけでも一興。恐怖する女性の表情というのは、美しいものです」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「&amp;hellip;&amp;hellip;」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
仰向けで寝転がったままのそれは、淡々と言った。なんというシュールな図。顔はハ虫類そのものなのに、その声と言葉は、人間のそれと同じだった。少し低めの男性の声といったところだろうか。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「あの」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
私が言葉に詰まっていると、河童は&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「起こしてくださいませんか」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
と言った。アホか。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「嫌よ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
私は答える。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「&amp;hellip;どうしてです？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「また襲われるかもしないしね。自分では起きれないの？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「大きな甲羅が邪魔なもので、こういう時は助けがないと立つことが出来ないのです」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「そう」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
確かに、その小さな身体には見合わない、大きく立派な甲羅だ。仰向けの河童というのもなかなか珍しい。こう見るとただの大きな亀にも見えるけれど、人間のそれと変わらないほどに長い手足と頭のお皿は、亀とは一線を画す。そして仕舞には話せるなんて。変なの。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
</description> 
      <link>http://hukuro.blog.shinobi.jp/%E3%81%A1%E3%82%85%E3%81%86%E3%81%B8%E3%82%93/%E6%B2%B3%E7%AB%A5%E3%81%AB%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%82%92%E9%A3%B2%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%A8%E3%81%93%E3%82%8D%E3%80%82%EF%BC%95</link> 
    </item>
    <item>
      <title>その子は私だった</title>
      <description>祖母は人形作りが趣味だった。&lt;br /&gt;
フェルトで出来たふわふわとしたものや、綿を布でくるんだものなど&lt;br /&gt;
たまの連休に家族で遊びに行ったときに見せてもらったのだけれど&lt;br /&gt;
それはそれは感心するものだった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
その祖母が亡くなった時に不意に思い出したのが&lt;br /&gt;
小さなころ、私をモデルにした人形があった気がしたのだ。&lt;br /&gt;
それが今どこにあるかはわからなかったのだが&lt;br /&gt;
その人形が存在することだけは&lt;br /&gt;
はっきりと思い出せたのだった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;http://file.hukuro.blog.shinobi.jp/373896_227845010627460_890145337_n.jpg&quot; title=&quot;&quot; target=&quot;_blank&quot;&gt;&lt;img alt=&quot;&quot; src=&quot;http://file.hukuro.blog.shinobi.jp/Img/1374207026/&quot; /&gt;&lt;/a&gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
それから何年か経ったある日&lt;br /&gt;
父から聞いた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
いつもリビングに飾ってあった、優しい表情のこの人形。&lt;br /&gt;
この人形こそが&lt;br /&gt;
私だったのだ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
気づくはずもない。似てないのだもの。&lt;br /&gt;
私はこんなに優しい顔はしていないし。こんな服も着ない。&lt;br /&gt;
というより&lt;br /&gt;
この人形のその表情は、いつもにこにことしていた祖母を連想させるものがあった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
それからというもの、私はその子の写真をプロフィール写真に使うことが多くなった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
この子のように優しい人でありたい。&lt;br /&gt;
この子のようにいつも、上品に笑っていたい。&lt;br /&gt;
そんな思いを込めて。</description> 
      <link>http://hukuro.blog.shinobi.jp/%E7%9F%AD%E7%B7%A8/%E3%81%9D%E3%81%AE%E5%AD%90%E3%81%AF%E7%A7%81%E3%81%A0%E3%81%A3%E3%81%9F</link> 
    </item>
    <item>
      <title>私と小川と池と鯉。</title>
      <description>道を一つはずれると、小さな川が流れていた。&lt;br /&gt;
その道は真ん中に小さな小川が流れていて&lt;br /&gt;
その脇には趣のある日本家屋が、建ち並んでいた。&lt;br /&gt;
思わず私はカメラを持つ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
この小川を主人公にした写真が撮りたいと、強く思ったのだ。&lt;br /&gt;
パシャリ&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;http://file.hukuro.blog.shinobi.jp/377416_227845260627435_550481397_n.jpg&quot; title=&quot;&quot; target=&quot;_blank&quot;&gt;&lt;img alt=&quot;&quot; src=&quot;http://file.hukuro.blog.shinobi.jp/Img/1374728059/&quot; /&gt;&lt;/a&gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
綺麗な小川だ&lt;br /&gt;
よく見ると小さな魚が泳いでいる。&lt;br /&gt;
九州、島原というと湧き水が有名だけれど、この小川もそうなのだろうか。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
脇の日本家屋は『武家屋敷』といって&lt;br /&gt;
地元では有名な観光スポットらしい。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
中に入ると、鯉の泳いでいる大きな池があって&lt;br /&gt;
その脇に甘味どころがあった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
今の日本、こういう場所は珍しい。&lt;br /&gt;
私はそこで『かんざらし』なる甘い甘味を堪能した後&lt;br /&gt;
鯉の餌を買った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
池のほとりで鯉に餌をあげながら、暇な時間を楽しむ。&lt;br /&gt;
たまには、こういう時間も悪くないものだ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
</description> 
      <link>http://hukuro.blog.shinobi.jp/%E7%9F%AD%E7%B7%A8/%E7%A7%81%E3%81%A8%E5%B0%8F%E5%B7%9D%E3%81%A8%E6%B1%A0%E3%81%A8%E9%AF%89%E3%80%82</link> 
    </item>
    <item>
      <title>夕陽の中にあなたがいる</title>
      <description>人を待つ時間というのは、なかなか暇なものだ。&lt;br /&gt;
だが、その相手が恋しい相手だとしたら、その時間の持つ意味は少し変わってくる。&lt;br /&gt;
退屈なはずの時間でさえ、もうすぐその人に会えると思うと&lt;br /&gt;
愛おしく思えたりもする。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
私は駅の改札の前で彼女を待っていた。&lt;br /&gt;
電車が到着するたびに、改札の向こうをきょろきょろと見てしまう私は&lt;br /&gt;
端から見たら、情けなく映るのだろうか。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
時刻は夕刻、窓の外には美しい夕陽が明日に向かって歩いていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;http://file.hukuro.blog.shinobi.jp/389900_220368911375070_1986511177_n.jpg&quot; title=&quot;&quot; target=&quot;_blank&quot;&gt;&lt;img alt=&quot;&quot; src=&quot;http://file.hukuro.blog.shinobi.jp/Img/1374728154/&quot; /&gt;&lt;/a&gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
もう少しで、彼女が到着するはずだ。私は揚々とそれを待つ。&lt;br /&gt;
きっとこの幸せな時間は何年も後に思い出すのだ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
その時に隣にいるのは、誰なのだろうか。&lt;br /&gt;
私は夕陽の中に問いかけてみた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
</description> 
      <link>http://hukuro.blog.shinobi.jp/%E7%9F%AD%E7%B7%A8/%E5%A4%95%E9%99%BD%E3%81%AE%E4%B8%AD%E3%81%AB%E3%81%82%E3%81%AA%E3%81%9F%E3%81%8C%E3%81%84%E3%82%8B</link> 
    </item>
    <item>
      <title>有明に浮かぶ望遠鏡</title>
      <description>&lt;br /&gt;
島原港を出航した後、私は船のデッキに出た。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
冷たい風と潮の匂いが体を包む。&lt;br /&gt;
私は被写体を探そうと、デッキを歩きはじめた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
足を一歩踏み出すたびに、かんかんとうるさい音が響く。&lt;br /&gt;
古い船体は所々塗装が剥げ、黒い錆が目立っていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ふと目についたのは、煤けた望遠鏡。&lt;br /&gt;
古い船体に張り付くように、いくつも取り付けられていたそれは&lt;br /&gt;
どれも、まるでうな垂れるように下を向いていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;http://file.hukuro.blog.shinobi.jp/401991_227845210627440_156123490_n.jpg&quot; title=&quot;&quot; target=&quot;_blank&quot;&gt;&lt;img alt=&quot;&quot; src=&quot;http://file.hukuro.blog.shinobi.jp/Img/1374625442/&quot; /&gt;&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
写真は、そのうちの一人。&lt;br /&gt;
船の後ろ側に立っていた彼を、出航してきた島原の山とともに&lt;br /&gt;
カメラに納めた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
寂しげで、悲しげで、哀愁の漂う彼の後ろ姿は&lt;br /&gt;
物憂げに海を見下ろしているようにしか見えない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
新しい『レッドアロー号』なる高速フェリーの登場で&lt;br /&gt;
このフェリーを使う人間も随分と減ってしまった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
彼はこの広い海を眺めながら&lt;br /&gt;
まだ乗客の多かったあの頃を思い出しているのかもしれない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
そんなことを考えた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
</description> 
      <link>http://hukuro.blog.shinobi.jp/%E7%9F%AD%E7%B7%A8/20130723</link> 
    </item>
    <item>
      <title>坂の下の公園。</title>
      <description>&lt;br /&gt;
引っ越してばかりの頃、私はこの町を知ろうと&lt;br /&gt;
よく散歩に出掛けていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
駅までの道には小さな道と神社。&lt;br /&gt;
その日は何となく、いつもの道ではなく&lt;br /&gt;
神社の脇を抜けて線路のそばへ行ってみた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;http://file.hukuro.blog.shinobi.jp/394097_227845713960723_1338478214_n.jpg&quot; title=&quot;&quot; target=&quot;_blank&quot;&gt;&lt;img alt=&quot;&quot; src=&quot;http://file.hukuro.blog.shinobi.jp/Img/1374625527/&quot; /&gt;&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
そこは少し急な坂になっていて&lt;br /&gt;
その先には小さな公園があった。&lt;br /&gt;
この写真はその坂だ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
本当になんとなしにシャッターを切ったのだけれど&lt;br /&gt;
思いのほか味のある写真になった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
フェンスの向こうは線路になっていて&lt;br /&gt;
たまにガタガタと轟音を鳴らして貨物列車が通りすぎる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
それを横目に坂を下ると、小さな池があった。&lt;br /&gt;
大きなマンションに囲まれたこの公園は&lt;br /&gt;
子どもたちの格好の遊び場になっていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
私の引っ越してきたマンションから、この公園が見えることを知ったのは&lt;br /&gt;
この写真を撮ってしばらくしてからのことだった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
</description> 
      <link>http://hukuro.blog.shinobi.jp/%E7%9F%AD%E7%B7%A8/%E5%9D%82%E3%81%AE%E4%B8%8B%E3%81%AE%E5%85%AC%E5%9C%92%E3%80%82</link> 
    </item>
    <item>
      <title>森と綿菓子</title>
      <description>&lt;div&gt;綺麗な青空に誘われて、カメラを持って外に出た。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;深く濃い青色のキャンバスに、綿菓子を千切って撒いたかのような散れ散れとした雲が浮かんでいた。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;その雲はゆっくりゆっくり、森の向こうへ飛んで行く。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;私もその後ろ姿を追い、森へと足を進めた。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;森の向こうの空は赤く染まり、人々に日暮れを告げていた。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;青と赤のコントラストに、まばらな薄い雲。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;私はカメラのレンズを覗き、シャッターを切る。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&lt;a href=&quot;http://file.hukuro.blog.shinobi.jp/633d2f0e.jpeg&quot; title=&quot;&quot; target=&quot;_blank&quot;&gt;&lt;img alt=&quot;&quot; src=&quot;http://file.hukuro.blog.shinobi.jp/Img/1374986933/&quot; /&gt;&lt;/a&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;森の木々は思ったよりも暗く写った。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;だが、それが空の青と夕焼けをより美しくしているようにも見えた。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;一日の終わりに向けて動く空の流れ。夕陽に吸い込まれて行く雲の動き。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;私はその、美しくどこかノスタルジックな光景に魅せられ&lt;/div&gt;&lt;div&gt;時間を忘れてシャッターを切り続けた。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;</description> 
      <link>http://hukuro.blog.shinobi.jp/%E7%9F%AD%E7%B7%A8/%E6%A3%AE%E3%81%A8%E7%B6%BF%E8%8F%93%E5%AD%90</link> 
    </item>
    <item>
      <title>河童にコーラを飲ましたところ。４</title>
      <description>&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
しかし、この暗闇の中で音の主を探すのは骨が折れそうだ。しかも、それがどういう外見をしているのか、想像もつかない。誰かが助けを求めているのか、はたまたメリーさんのような人外のものなのか。私は辺りを見回す。なんの変哲もない、小石が堆積した川原だ。メリーさんもここまで連れてきたのだから、何かしらヒントをくれればいいのに。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ばしゃ&lt;br /&gt;
　&lt;br /&gt;
不意に大きな水音が響き、私は反射的にそちらへ目を向ける。川の中で何か跳ねたのだろうか。目を凝らすが、特に変わったところはないように見える。私は意を決して、川の近くへ寄ってみることにした。まさに一寸先は闇。水面が月明かりに反射しているので川は確認できるが、例え人が倒れていたとしても、見つけられるかどうか。少し進むと、足に水の感触があった。うーん。これ以上進むと危ない気がする。私が川の中の捜索を諦めて、踵を返そうとしたその時だった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
がしっ&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
何者かが、私の右足首を強く掴み、川の方へ引っ張る。驚いて声を出すことすら出来なかった私は、その強い力に負けて、その場に倒れ込んだ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
え！？&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
叫んだつもりだったのが、恐怖からなのか、喉の奥で、蚊の鳴くほど小さなの声しか出せなかった。手はなおも私を川へ引きずり込もうとしている。その強い力で。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
強い力で‥&amp;hellip;。&lt;br /&gt;
ん？&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
あまりに驚いて倒れ込んでしまったけれど、手が私を引っ張る力は、さほど強くないことに気づいた。というか、弱い。引っ張っていることには違いないのだけれど、冷静になってみると、それは本当に微弱で弱々しい力だった。少なくとも、この力では私を川の中へ引きずり込むのは無理だろう。自分の足を掴んだ手に目を向ける。小さくて、まるで子供のような手だ。しかし、人間のそれとは随分と違う。指の数も少ないし、小さな水かきのようなものが付いている。これはどうみても人外のものだろう。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
さて、どうしたものか。その手をもう片方の足で蹴れば、振りほどくことは容易く成せるだろう。でも、この手の主の姿が気になるし、メリーさんがわざわざ、私を危険に合わせるためだけにここに誘導したとは考えにくい。いや、呪いの人形だから当たり前なのかしら。いや、彼女に限ってそんなことはない。はずだ。きっと。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
私は意を決してその場で立ち上がると、深呼吸。そして、その弱々しい人外の手に、そろりそろりと手を伸ばす。&lt;br /&gt;
そして、その手首を力強くガシッと掴み&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
そぉぉぉぉぉいッッッ！！！&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
と思い切り引っ張った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
</description> 
      <link>http://hukuro.blog.shinobi.jp/%E3%81%A1%E3%82%85%E3%81%86%E3%81%B8%E3%82%93/%E6%B2%B3%E7%AB%A5%E3%81%AB%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%82%92%E9%A3%B2%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%A8%E3%81%93%E3%82%8D%E3%80%824</link> 
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