忍者ブログ

ふくろうの筆箱

不思議・妖怪・幽霊系の短編小説

『私メリーさん。今あなたの後ろn (ry) 』 3



「私メリーさん。今ゴミ捨て場にいるの」

確かに、電話の主はそう言った。メリーさん??そんな知り合いはいない。てか外人??頭が混乱する。とりあえず私は

「あの...人違いではないですか...??」

と返した。すると相手は

「.....」

無言。不思議に思い、再度話しかける。
「あn「私メリーさん。今ゴミ捨て場にいるの」

私の言葉を遮って、電話の主は同じ言葉を吐いた。そして
プツ

と、唐突に電話は切れたのだった。随分と、不気味な電話だ。メリーさんという名前は聞覚えがない。知り合いにもいないはずだ。そして妙に明るい口調に、言いようのない違和感があった。なによりも、ゴミ捨て場にいる??訳が分からない。...まぁ考えても仕方ない。私は後味の悪さを拭えないままだったが、ただのいたずら電話だろうと思い込むことにした。ビールを一口、喉に注ぐ。たまらなく美味い苦みが口の中に広がった。そして音量を戻そうと、テレビのリモコンに手を伸ばす。

ブーン。ブーン。

再び、不気味な音が部屋の中に響いた。なに、リモコン持とうとすると鳴る仕掛けなの?携帯を開く。

非通知。

嫌な予感を拭いつつ、再度、通話ボタンを押す。

「...もしもし。佐伯です」

「私メリーさん。今、タバコ屋さんの角にいるの」

電話は先ほどと同じ声で、言ったかと思うと

プツッ

と切れた。タバコ屋さんの角。私の家から20メートルほどの場所にそれはあった。もしそれのことだとしたら。近くにいるのだろうか…?いよいよ、不気味な話だ。そして一つの可能性に気づいた。これはもしや、幽霊のたぐいなのかもしれない。と。もしそうだとしたら、安心だ。私はてっきり、気味の悪いいたずら電話なのだと思っていた。相手は日本語ペッラペラの外人か、もしくは自分のことを『メリー』なるロリッ子だと勘違いしている痛い人。そのどちらかだとしたらひどく気分は悪いが。幽霊だとしたら、慣れたものだ。軽くあしらってしまえば良い。


私は立ち上がり、鞄からノートパソコンを取り出し、電源をつけた。そして検索ワードのところにカタカタと文字を打つ。『メリーさん』を検索にかけたのだ。グーグル先生お世話になります。


1,420,000件の検索結果。


なんという有名人!!!!検索結果には主に『怖い話』『都市伝説』などの言葉が並んでいた。その中の一つをクリックしてみる。重々しいBGMと、禍々しい壁紙。怖い話を前面に押し出しているサイトだ。そのサイトにはこう書いてあった。


メリーさんという人形を捨てた女の子のもとに一通の電話がくる。
私メリーさん。今ゴミ捨て場にいるの。
五分後
私メリーさん。今あなたのマンションの前にいるの。
さらに五分後
私メリーさん。今
あなたの後ろにいるの。

振り返った彼女は、殺されてしまう。
.....ん?
殺されるの!?!?!?


『私メリーさん。今あなたの後ろn(ry) 4』


にほんブログ村 小説ブログへ←1クリックご協力お願いします!
PR